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Clients’ Voice

フリッジさんは、一緒に未来を描けるパートナーです。

株式会社ニチレイ小宮潤一様

「ごはんのみらい」は、低糖質で食物繊維が豊富な米食を、パーソナライズされたアドバイスとともに提供する健康サポートサービスです。弊社はそのネーミングを担当させていただきました。商品開発を主導した株式会社ニチレイの小宮潤一様に、一連のプロセスを通じて感じた弊社の印象について語っていただきました。

将来に渡って愛されるブランド名を。

「ごはんのみらい」のネーミングをご依頼いただいたいきさつについて教えてください。

このプロジェクトで僕らが目指していたのは、ひとつの商品を開発するだけでなくシリーズ展開することでした。そのため、長期に渡って親しまれるブランド名が必要だと考えていたのです。

実のところ、まずは社内でネーミングにトライしました。ところがこれといったアイデアがなかなか生まれず、難航します。もともと当社では、ご飯ものの商品なら「◯◯炒飯」「◯◯ピラフ」など、商品の内容がストレートにわかる名前をつけることがほとんどでしたので、どうしてもその発想から抜け出せなかったのです。この行き詰まりを打開するためには、プロの力を借りるしかない。そう考えて、かつて当社の製品「conomeal」のネーミングを担当していただいたフリッジさんに相談することにしました。

世にないものを生み出すプロセスを、一緒に楽しんでくれた。

この商品には「食物繊維が豊富で低糖質」「炊飯の手間が不要」といった特徴がありましたが、ネーミングでは、あえてそれに縛られないよう留意しました。

機能面に焦点を当てた名前だと、「手間いらず」「効率的に栄養がとれる」といった長所を打ち出せる一方で、少し無機質なイメージを与えかねません。世に出す上では、もっと温かみのあるものにしたかったんです。例えるなら、アニメ「サザエさん」の和やかな食卓を彷彿させる名前が理想でした。

小宮さんにはたっぷりこのブランドの未来像などを語っていただきました。

そうでしたね。「妄想」に近いビジョンを滔々と語る僕と、その破片を拾い集めて「つまりこういうことですよね」と的確に整理してくれるフリッジさん。この二人三脚が重要でした。フリッジさんはいい意味でクライアントとの距離が近い。同じゴールに向かって一緒に走る仲間のような感覚がありました。

言葉のプロの立場から、率直に意見をもらえるのもありがたかったです。当社の意見に迎合していたのでは、結局は社内だけで検討していた頃の殻を破ることはできません。オープンなコミュニケーションを取る過程で「新たな食文化をつくる」というコンセプトが定まっていきました。

プロが生み出す言葉は、「耐久性」が違います。

お示しした10数案から、最終的に選ばれた名前が「ごはんのみらい」でした。

ひと目見た瞬間「この名前だ!」と直感しました。「お米」と「主食」のふたつの意味が込められた「ごはん」という言葉。「みらいのごはん」ではなく「ごはんのみらい」という語順。ごく平易な言葉しか使っていないのに、組み合わせの妙でここまで余韻が広がるのは驚きでした。「日本の食卓をお米で変えていきたい」という思いが、シンプルで親しみやすい言葉にギュッと凝縮されています。

もうひとつ、フリッジさんの提案を通じて改めて認識したのが、言葉から受ける印象は、意味だけでなく文字の造形によっても変わるということ。「ごはんのみらい」はすべてひらがなで綴られています。この丸みを帯びた字面からも温かみが感じられる、という説明がとても新鮮でした。

手前味噌ながら、社内で100ほどの案を持ち寄り、意味、音、リズム、見た目などを検証して絞り込んだ上でご提案に至っています。

数え切れないほど多くの試行錯誤があったであろうことが、ひしひしと伝わってきました。今回のネーミングを通じてつくづく感じたのは、商品の名前には時代の変化に左右されない「耐久性」が必要だということ。安易に決めてしまったら、それだけ陳腐化するのも早いでしょう。末永く親しまれる名前を生み出すためには、鋭敏なセンスで言葉と向き合い、高い技能でそれを磨き上げるプロセスが欠かせません。言葉のプロにネーミングをお願いする意義は、まさにここにあると思います。

「言葉が新しい風景を作る」と肌で知った。

「ごはんのみらい」について、社内の評判はいかがでしたか。

「いい名前だね」と他部署の社員から声をかけられたり、社内の有志によって「ごはんのみらい友の会」というファンクラブが立ち上げられたりするほど好評でした。Webサイトの制作やタグラインの開発もスタート。ここでもフリッジさんに言語化のお手伝いをしてもらいましたね。

コピー全般をお任せいただき、大変光栄でした。社外からも高い評価を得て、「グッドデザイン賞」の受賞という吉報も。

受賞をきっかけに各種メディアで紹介され、社会的な認知度も高まったと感じています。日経産業新聞のコラム『いいモノ語り』の中で、日本ネーミング協会会長の岩永嘉弘氏からネーミングについてお褒めいただいたのは望外の喜びでした。社内外を問わずポジティブなリアクションをいただけたのは、商品に込められた思いがどんな人にもまっすぐ伝わる名前だったからでしょう。

改めて、フリッジのサービスに対する満足度はいかがでしょうか。

大満足です。言葉が新しい風景を作る。これを実感できたのはなによりの収穫です。すでに次なる商品の開発も視野にあります。より豊かな食文化を提案し続ける「ブランド」の土台を築けました。フリッジさんには感謝しています。

株式会社ニチレイ 様

冷凍食品業界でトップクラスのシェアを誇る「ニチレイフーズ」をはじめ、食品低温物流事業、水産・畜産事業、バイオサイエンス事業などを手掛ける企業グループ。食のフロンティアカンパニーとして多彩な事業を展開している。